【2022年 最新版】看護師の平均年収とその内訳、新卒者初任給を徹底解説

「看護師の年収がどのくらいか知りたい」

「看護師を目指したいけど、給料は保証されているか心配」

「自分が看護師になった時にどれくらいの給料になるか具体的に知りたい」

このような疑問にお答えします。

結論、看護師の平均年収は「491万8,300円」で、他の仕事と比較して高い傾向にあります。そしてこれからより一層需要の高まる仕事として注目されています。

この記事では、以下について詳しく解説します。

  • 看護師になるメリット
  • 平均年収と内訳、新卒看護師の初任給
  • ジャンル別で看護師の年収を比較
  • 看護師の給料を上げる方法

これから看護師を目指す方が就職した後に貰える具体的な給与額がイメージできるように解説しているので、参考にしていただけると幸いです。

【必見】看護師国家資格を取得しておく5つのメリット

看護師国家資格を取得しておくメリットは、以下の5つです。

  1. 給料が安定している
  2. 転職に困らない
  3. キャリアアップできる
  4. 公務員になりやすい
  5. 平日に休みが取りやすい

給料以外にも将来性のある看護職について、詳しく解説していきます。

1. 給料が安定している

給料が安定していることは、看護師国家資格を取得するメリットです。

厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査によると、看護師の年収は「491万8,300円(企業規模計10人以上)」となっており、栄養士や保育士と比べても水準が高い傾向にあります。

また求人も豊富で引く手あまたな資格であるため、仕事に困ることなく経済力を手に入れられる資格と言えます。職場も病院をはじめ、クリニックや保育所、一般企業など幅広く、ご自身のライフスタイルにあった仕事を選択できる強みもあります。

参考文献:厚生労働省/令和2年賃金構造基本統計調査(Excelデータ X〜Z行・30列)

2. 転職に困らない

転職に困らないことも看護師国家資格を取得するメリットに挙げられます。

以下のグラフは、日本看護協会の看護師の求人倍率に関する推移データです。

 2019年の時点でナースセンターに登録中の求人数は「158,602人」、求職者数は「67,710人」であり、求人倍率は「2.34倍」となります。このことより、1人の看護師を2.34の職場が求めていることが分かります。

またこれから少子高齢化が進むにつれて、今以上に看護師の需要は高まるため、転職先に困る心配もないでしょう。

3. キャリアアップできる

青空の下で立つ看護師

看護師国家資格を取得しておくと、キャリアアップが可能です。

キャリアアップの方法は、以下の通りです。

  • 認定・専門看護師資格を取得する
  • 特定行為看護師の研修に参加する
  • 看護師のキャリアを活かした職場に転職する

日本看護協会によると、認定・専門看護師は以下のように定義されます。

【認定看護師】

ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有する者として、本会の認定を受けた看護師

【専門看護師】

複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師

認定・専門看護師資格を取得すると、特定分野の専門性を高められます。また看護師の質向上のために専門分野の研究や臨床での指導を行えるようにもなります。

特定行為は、厚生労働省が定める制度です。看護師の医療処置の幅を広げられます。

具体例は、以下の通りです。詳細は参考資料をご参照ください。

  • 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
  • 侵襲的陽圧換気の設定の変更
  • 人工呼吸管理がなされている者に対する鎮静薬の投与量の調整…etc

これまでは医師しかできなかった医療処置も、特定の研修を受けることで看護師でも実施可能となりました。ただし、看護師は医師の指示の下で医療行為の補佐をすることが仕事です。そのため、看護師の判断だけで行えるようになった訳ではありません。

4. 公務員になりやすい

公務員になりやすいことも看護師国家資格を取得するメリットです。

国公立病院の看護師は公務員です。看護師の採用には、一般職のような公務員試験はありません。 専門分野の試験だけであり、一般職と比べて倍率も低い傾向にあるため、比較的簡単に就職しやすいでしょう。

また、採用に関する年齢制限はありません。そのため、転職や社会人を経て看護師になった方でも採用試験に挑戦できるメリットがあります。実際、私自身も45歳で公務員になっていました。

5. 平日に休みが取りやすい

看護師になら平日に休みを取りやすいメリットがあります。

夜勤や休日勤務があり、平日が休みになることが多いからです。また普段から土日休みなどの決まりがないため、平日に休み希望を出すのも自然であるのも理由です。

平日休みが取れるメリットは、以下の通りです。

  • 役所や銀行での手続きができる
  • 子供の参観や面談などに出席できる
  • 平日に実施される研修に参加できる
  • 人混みを避けて出かけられる

夜勤により不規則な看護師の勤務は「大変そう」というイメージがありますが、このようなメリットもあります。

最新版!看護師の平均年収とその内訳、新卒者初任給を徹底解説

これから看護師を目指すなら「年収やその内訳」「初任給」が気になる方も多いのではないでしょうか。

そこでこの章では、以下について詳しく解説します。

  1. 看護師の平均年収と内訳
  2. 新卒看護師の初任給は?
  3. 看護師の年収の推移
  4. 看護師の生涯年収

あなたが看護師として生涯で稼げる金額を具体的にイメージできます。

看護師の平均年収と内訳

厚生労働省のデータによると、看護師の平均年収は「491万8,300円(企業規模計10人以上)」です。

出典:厚生労働省/令和2年賃金構造基本統計調査(Excelデータ H〜J列・30行)

この章では、平均年収とその内訳について、以下の項目に分けて解説します。

  • 基本給与額
  • 夜勤手当
  • 残業代(時間外手当)
  • ボーナス

具体的な給与事情をイメージするために、様々な角度から看護師の給料を見ていきましょう。

【基本給与額】

以下の表は、基本給与額に関する日本看護協会のデータです。

専門学校と大卒とでは、基本給与額が「6,714円」、税込給与総額が「7,830円」の開きがあることが分かります。 3年制専門学校は最短期間で看護師免許を取得できるメリットがある一方で、就職後は大卒よりも少し給料が低いデメリットもあります。

【夜勤手当】

以下の表は、夜勤手当に関する日本看護協会のデータです。

出典:日本看護協会/2020 年 病院看護実態調査 報告書 P.19

三交代制では深夜勤務の手当が高く、その差は「968円」です。真夜中から出勤する負担を考えると、深夜勤務の手当が高い理由も分かります。一方の二交代制は準夜・深夜勤務をまとめてするイメージです。三交代制の夜勤手当の合計よりも高く「11,286円」です。

また、三交代制(深夜・準夜勤ともに4回ずつ)だと年間「44万5,248円」、二交代制(月4回夜勤)だと年間「54万1,728円」が夜勤手当になります。

【残業代(時間外手当)】

以下のグラフは、残業代に関する日本看護協会のデータです。

最も多い残業時間は、5時間未満で全体の35.9%です。中には月の残業が40時間以上と回答した人も1.5%いました。

【ボーナス】

厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査によると、看護師のボーナス(年間賞与その他特別給与額)は「80万8,900円」です。 栄養士が「65万2,700円」、保育士が「67万6,000円」と比べると、看護師のボーナスは高い傾向にあります。

出典:厚生労働省/令和2年賃金構造基本統計調査(Excelデータ Z列・30行)

新卒看護師の初任給は?

日本看護協会の2020 年 病院看護実態調査 報告書によると、新卒看護師の初任給は以下になります。

出典:日本看護協会/2020 年 病院看護実態調査 報告書

専門学校と大学卒業では平均基本給与額で「6,629円」、平均税込給与額で「8,015円」の差があることが分かります。また大学を卒業していると全問学校卒業より昇給幅が高いのも特徴です。

看護師の年収の推移

看護師の年収の推移は、以下の表を参考にしてください。

男性女性
20〜24歳372万5,000円370万7,000円
25〜29歳444万9,000円422万2,000円
30〜34歳472万9,000円439万1,000円
35〜49歳494万5,000円444万3,000円
40〜44歳506万1,000円479万8,000円
45〜59歳544万7,000円508万9,000円
50〜54歳589万3,000円537万1,000円
55〜59歳549万5,000円552万8,000円
60〜64歳524万6,000円487万8,000円
65〜69歳435万8,000円422万8,000円
70歳〜457万1,000円419万2,000円

※従業員数10人以上の施設規模

平均年収の最高推移は、男性は50〜54歳で「589万3,000円」、女性は55〜59歳で「552万8,000円」です。性別による最高額の差額は「33万2,000円」で男性が高いことが分かります。

また就職後は順調に年収が上がり、年齢別にみると、10〜40万円前後の昇給があります。男性は55〜59歳、女性は60〜64歳以降から徐々に減額傾向になります。

看護師の生涯年収

厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査のデータをもとに、男性・女性の生涯年収を算出すると、以下になります。

男性女性
看護師の生涯年収1億9871万8,000円1億8775万5,500円

※20〜59歳の場合

※従業員数10人以上の施設規模

一般的には大学・もしくは専門学校を卒業後、定年までの勤務ですが、看護師は定年以降も働く人や働き口が多いという理由で20〜69歳の幅で生涯年収としました。男女別だと、男性の生涯年収の方が「943万8,000円」高いことが分かります。

【ジャンル別】看護師の年収変化を徹底比較

この章では、以下のジャンル別に年収の変化を比較します。

  1. 【男女別】男性看護師は少しだけ高い
  2. 【年代別】年収が最も高いのは50代
  3. 【企業規模別】従業員が多い職場ほど給料は高い

これから看護師になるあなたの年収を具体的な数値で把握できるため、将来設計もしやすくなります。

【男女別】男性看護師は少しだけ高い

男女別に平均年収を見ると、以下の表になります。

基本給与額ボーナス平均年収平均月収
男女計33万4,500円78万5,900円479万9,000円39万9000円
34万3,000円82万1,100円493万7,100円41万1,400円
32万6,000円74万9,000円466万1,000円38万8,400円

※従業員数10人以上の施設規模

男女別に平均年収を見ると、男性は「428万1,900円」、女性は「410万8,600円」です。男女の差額は「17万3,300円」で男性の方が高いことが分かります。このことより、男性は少数派の看護職ですが男性の給料も十分保証されています。また、安定的かつ高水準の給料である看護職において、今後男性の進出は一層増えると予測されます。

【年代別】年収が最も高いのは50

最も高い年収を年代別に見ると、以下の表になります。

男性(50〜54歳)女性(55〜59歳)
最高年収額589万3,000円552万8,000円

※企業規模計100〜999人

男女共50代が年収の最高額です。50代のライフスタイルは、子供が高校や大学へ進学し、出費が激しい年代でもあります。加えて老後の資金を確保しなければいけません。そのため、年収は高いものの必要経費も高い世代となります。

また給料の高低のイメージは、ライフスタイルによって変わるため一概に高収入と言えません。ご自身のライフスタイルと合わせて、看護師の年収を評価する必要があります。

【企業規模別】従業員が多い職場ほど給料は高い

企業規模別に見た基本給与額の推移は、以下の図解を参考にしてください。また基本給与額の詳細は参考資料にあります。

日本看護協会のデータによると、100〜500床以上では従業員が多い職場ほど基本給与額が高い傾向にあることが分かります。

理由としては、病院規模が大きくなるほど、重症患者の受け入れや手術・化学放射線療法など高度な治療が求められ、手当等が加算されていることが挙げられます。

また、労働組合や福利厚生制度が整っているため、高水準の給料が保証されていると考えられます。

高収入!看護師の給料を上げる5つの方法

看護師として働くメリットの1つに、給料を上げるための手段が豊富であることが挙げられます。この章では、以下5通りの給料を上げる方法について解説します。

  1. 年数を重ねる
  2. 管理職になる
  3. 資格を取得してキャリアアップ する
  4. フリーランス看護師になる
  5. 条件の良い職場に転職する

これらの方法を知っておくと、あなたのライフスタイルに合わせて給料を上げる準備もできます。

1. 年数を重ねる

看護師の給料が確実に上がる方法は、年数を重ねることです。

厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査によると、看護師の給料は男性で50〜54歳まで、女性は55〜59歳まで上がり続けるというデータがあります。経年数が上がるにつれて、主任や看護専門員(職場ごとに名称は異なる)などの役職が与えられるため、責任に伴い給料が上がるイメージです。

勤め続けるだけでも給料に確実な伸び代があるため、安定給という面でも安心できるでしょう。

出典:厚生労働省/令和2年賃金構造基本統計調査

2. 管理職になる

管理職になることも看護師の給料をあげる方法です。

管理職とは、看護部長や病棟師長・副師長などのスタッフの指揮・采配をする責任者のことです。

ただし、大部分の病院は推薦制や人事が選任するため、誰でもなれるわけではありません。日々質の高い看護を提供し、病院へ貢献できる方が評価され、推薦されます。また、スタッフを束ねられるコミュニケーション能力の高い人材が起用されるでしょう。

3. 資格を取得してキャリアアップ する

目で見える客観的評価を武器に給料を上げるなら、資格を取得しましょう。

例えば、看護師が取得できる資格は、以下の通りです。

  • 認定・専門看護師
  • 助産師
  • 保健師

認定・専門看護師は日本看護協会の定める資格認定制度のカリキュラムを終了した者が取得できる資格です。救急や小児、栄養など専門分野に特化した専門的な知識・スキルを備えた看護師として勤務できます。

ただし、職場によって給料に反映されない場合もあるので、取得前に必ず雇用条件を確認しましょう。

助産師・保健師の資格は大学進学をする場合は、4年間のカリキュラムに単位を追加して取得します。以下の図解は、厚生労働省が定める助産師・保健師になる方法です。

専門学校を卒業し助産師・保健師になりたい方は、助産師・保健師養成所に1年間、もしくは大学3年次編入を経て国家試験を受験できます。

そのため、助産師・保健師として働く気持ちがあり、少しでも給料を上げたいなら、初めから大学に入学することをおすすめします。

4. フリーランス看護師になる

近年、フリーランス看護師という働き方が注目を集めています。フリーランス看護師とは、組織に属さず、単発やスポット案件、パート・アルバイト勤務のことです。

例えば、夜勤専従やワクチン注射のアルバイトなどが挙げられます。単発やスポット案件は、単価が高い傾向にあり、転職エージェントに問い合わせたところ「求人数も多くはないがそれなりにあります」と回答を得られました。

給料単価が高いことに加えて、仕事場所や時間を自分で調整できたり、組織に属していないので看護業務だけに専念できたりするメリットがあります。

ただし、高単価案件が常時あるわけではないので、継続的に求人を探したり、定期的な給料が保証されていなかったりと不安要素もあることを知っておきましょう。

5. 条件の良い職場に転職する

手っ取り早く、確実に給料を上げたいなら、あなたの希望条件に合った求人を探せる転職がおすすめです。

看護師としてある程度の実務経験があれば、転職先に困ることがありません。実際、私も6年間ほど勤務し、一時的にライター業に専念していましたが、1年以上経過しても転職先に困ることがありませんでした。

また転職エージェントを利用すると、以下のメリットがあります。

  • 非公開求人の紹介(表には出ていない好条件な求人)
  • 求人先に条件交渉を代行してもらえる

求人に困ることなく、転職で給料が上げられるのも看護師資格の特権です。

まとめ:安定した年収と将来性を手に入れたいなら看護師資格を取得

以上、看護師の平均年収とその内訳、新卒者初任給について最新情報を解説しました。重要なので、要点を以下にまとめます。

  • 看護師の平均年収は「491万8,300円」
  • 看護師国家資格を取得しておくと給料が保証されキャリアアップもしやすい
  • 男女別にみると男性の方が高く、男女ともに50代が最も給料が高い
  • 給料を上げるなら資格や働き方、職場を選ぶ必要がある

看護師の給料は高く、50代まで上がり続けるため、安定した給料が保証されています。キャリアアップがしやすく、自らの努力で給料を高めることも可能です。

男女別に年収をみると、男性の方が高く、女性というイメージの強い看護師ですが、男性も生涯働き続けられる職業として検討する価値は十分にあるでしょう。求人倍率2.34倍であり、転職に困ることもありません。 

これらを踏まえ、安定した給料と将来性のある看護師の仕事をおすすめします。

これから看護師を目指す方にとって、この記事がお役に立てば幸いです。

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この記事を書いた人

秋山 京洋

秋山 京洋

広島県立三次看護専門学校卒業。看護師免許取得。小児科や一般外科病棟を経験。現在は臨床で培った知識やスキルを活かしてライターとして活動中。執筆業以外にもKindle本の出版や絵本制作など精力的に活動の場を広げている。

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