夜勤がきついと感じたら今すぐチェック!現役看護師がつらい夜勤を乗りこえる4つの方法を伝授!

多くの看護師が経験する夜勤勤務は、慣れるまでなかなか大変です。
夜勤業務を経験するときついな、大変だなと感じる方も多いでしょう。
夜勤勤務がきついと言われる理由から夜勤のメリット、対処方法や乗り越え方をお伝えします。

夜勤がきついのはなぜ?

夜勤をすることがつらい、きついと感じる看護師が多いのはなぜでしょうか。
理由は5つあります。

・少ない人数で対応する
・生活リズムがバラバラで疲れる
・残業が多い
・勤務時間が長い
・体力的にきつい

上記、5つが原因として挙げられます。

少ない人数で対応する

夜勤は日勤と比べると人数が少ないところが多いです。

そのため、限られた人数で対処を行わなければなりません。

看護師はもともと人手不足と言われていますが、夜勤の人数は日勤よりもさらに確保が難しく、人手不足が深刻です。
そして、日勤よりも看護師1人でみる患者数が多くなるので、看護師への負担も大きくなります。

緊急入院や急患の処置などを通常業務と並行して行うため、一人一人への負担が大きくなり、また、看護師の対応力も求められます。

施設によっては夜勤がかなり忙しい職場もあるので、ゆっくり説明したり、教えたりする時間がとれない場合もあります。
そうなるとまだ経験が少ない看護師や転職したばかりで慣れていない看護師は、きついと感じることも多いです。

生活リズムがバラバラで疲れる

夜勤専従看護師でない場合、多くの看護師は日勤と夜勤どちらの勤務も行うことになります。

またシフト制のため、交替しながら勤務をするため早起きする日もあれば、夜遅くまで起きて仕事をしているという日もあるのです。

そのため、一定の時間に眠ることができないので、生活リズムが崩れてしまい、朝なかなか起きられなかったりすることもあります。

なかなか眠れない日でも、次の日の勤務に合わせて就寝時間を調整することになります。

残業が多い

生活リズムが崩れると自律神経が乱れやすく便秘や睡眠障害、頭痛など体調不良を起こしやすくなります。

夜勤は日勤に比べると人員配置が少ないところが多いので、どうしても限られた人員で業務を行うことになります。

急変が起こったり、緊急入院が入ったりとバタバタすることになれば、急ぐ業務から優先して行うことになるため、記録や急がない業務などはどうしても後回しになってしまうことになります。

勤務時間内で終わらなければ残業で処理することになるので、残業時間が増えてしまうのです。

特に二交代制の場合は勤務時間が長いので、残業をすることでさらに勤務時間が長くなりがちです。

勤務時間が長い

看護師の夜勤の勤務体系は二交代制と三交代制があります。

二交代制は1日の勤務時間を2つに分けて日勤帯と夜勤帯の時間が決まっています。

病院によって勤務時間は異なりますが、おおよそ8:30〜17:30までの日勤帯と17:00〜9:00までの夜勤帯となっている病院が多いです。
夜勤帯はおおよそ16時間の勤務になり、2〜3時間の休憩や仮眠の時間があります。

三交代制は1日の勤務時間を3つに分けて日勤帯、準夜勤帯、深夜帯に分ける勤務形態です。
病院によって時間は異なりますが、8:30〜17:00、17:00〜0:00、0:00〜9:00で各勤務帯ごとの勤務時間は8時間程度です。

三交代制の病院では日勤深夜と一旦中抜けの時間があり、また夜に勤務するシフトがあります。
深夜帯の時間は公共交通機関がない場合もあり、病院までの交通手段を自分で調整することもあります。

以前は三交代制が主流でしたが、近年では二交代勤務の病院がかなり増えてきています。

2018年6月病棟数
三交替50855
二交替35838
混合(三交替・二交替)657
合計931100
2018年10月病棟数
三交替50756
二交替32236
混合(三交替・二交替)748
合計903100

体力的にきつい

二交代と三交代で勤務時間は異なりますが、夜勤は勤務時間が長くなるため、日勤よりも体への負担は大きくなります。

また急変や急患対応に追われ、休憩がとれないこともあり、そうなると体力的にかなりきついです。

夜勤のメリットは何?

そんなきつい夜勤ですが、もちろん夜勤にもメリットはあります。

・夜勤手当がもらえる
・夜勤明けの時間を有効に使える

夜勤手当がもらえる

看護師の給料は夜勤手当によって増えているといっても過言ではありません。

病院によって夜勤手当の金額は異なりますが、二交代勤務の病院でだいたいの相場は1回1万円程度の病院が多いです。

三交代の場合は、準夜勤:4,000円程度、深夜:5,000円程度の病院が多いです。

病院が任意で定めているものなので、病院間で金額に大きな差があります。
転職する際は参考にしてください。

夜勤明けの時間を有効に使える

夜勤明けは残業しても午前中に仕事がおわる場合が多いので、午後からの時間を自由に使えます。

特に平日の昼間にしか営業していないお店へ行ったり、公共施設の用事を済ませることができます。

また、世間が仕事をしている間なので休日に比べると人が少なく買い物もゆっくりできるメリットがあります。

夜勤を乗り越えるコツは?

つらい夜勤を乗り越えるコツはいくつかあります。

・なるべく仮眠時間に寝られるようにする
・夜勤にむけた体調管理をする

夜勤がつらいと感じるのは、体力的にきついからでしょう。

また、仮眠時間になかなか休めなかったり、休憩時間がしっかりととれなかったりといったこともあるかもしれません。

最初は仮眠時間でも、ナースコールの音やスタッフの動いている音、話し声などが気になりなかなか寝られないこともあるでしょう。
しかし、少しでも仮眠をとると、体にはいい影響があるようです。

ぐっすり眠ることは難しくてもできるだけ心と体が休まるように工夫しましょう。
仮眠前にスマホを触りすぎない、考えごとをしすぎない、とマイルールを作ることもおすすめです。

夜勤に向けた体調管理をする

夜勤は普段寝ている時間帯に起きて仕事をするため、夜勤に向けて体調管理をすることが大切です。

具体的には、

・夜勤前にしっかり睡眠をとっておく
・夜勤前になるべく外出しない
・日中は仮眠程度に睡眠を抑える

などです。

夜勤前にしっかり睡眠をとっておく

人によって夜勤前の過ごし方は異なりますが、夜勤前に睡眠をしっかりとっておくという人は多いでしょう。

忙しくて仮眠がとれないこともあるので、しっかりと体力を温存しておくことが大切です。

夜勤前になるべく外出しない

意見が分かれるところではありますが、体力に自信がない人は特に、夜勤前になるべく外出しないようにしましょう。

三交代勤務の場合は深夜からの勤務であれば、日中に外出していても問題ない場合もあります。

しかし二交代勤務の場合は夕方から仕事が始まり、勤務時間も長いためなるべく体力は温存するようにしておくことをおすすめします。

夜勤がつらくなったときの対処方法

夜勤を乗り越えるために、さまざまな工夫をしてもどうしてもつらいと思うこともあるでしょう。

そんな時におすすめの対処方法があるので、試してください。

・適度に運動する
・旅行など気分転換をする
・夜更かししすぎず、日勤のリズムに合わせて生活する
・同期や友人に話を聞いてもらう

適度に運動する

夜勤はどうしても生活リズムが崩れてしまい、体内時計が狂ってしまいます。

適度な運動は習慣化すると気分転換になりますし、質のいい睡眠にもつながります。

また有酸素運動はストレス軽減の効果もあります。

旅行など気分転換をする

ずっと仕事ばかりではストレスがたまり、疲れてしまいます。

旅行に出かけて思いっきりリフレッシュしたり、自分の趣味に時間を使ったりと仕事を忘れる時間を作ると、心も体もリフレッシュできますよ。

夜更かししすぎず、日勤のリズムに合わせて生活する

夜勤後や夜勤前は日中に仮眠をとることが多いです。

日中に仮眠をとった結果、夜になってもなかなか寝付けずに夜更かししてしまうこともあるでしょう。

夜更かしをすると体内時計のリズムが狂ってしまいますし、日勤のときは十分に睡眠がとれないまま仕事をすることになり、集中力が低下し危険な状態です。
夜勤後は疲れていても睡眠をとりすぎず、夕方までには起きましょう。

夜に眠り、朝起きるよう習慣づけできるといいですね。

また、日光を浴びるとサーカディアンリズムが整うと言われているため、朝起きてから日光を浴びることを習慣にするといいでしょう。

同期や友人に話を聞いてもらう

夜勤がつらくしんどいと感じている時はストレスがたまっている状態です。

そんな時は同期や友人に話をして、つらいという気持ちを聞いてもらいましょう。
同期であれば、どんなところがつらいのか共感してもらえることも多いです。

同期がいない場合は家族でも友人でも誰でもいいので、話を聞いてくれる人に話しましょう。

つらい、しんどいと感じていてもなかなか気持ちを伝えられないと、どんどんストレスがたまって体調を崩してしまいます。

どうしても夜勤がつらくなったときは

自分なりに対処方法をとってみてもどうしても夜勤がつらいという場合は、

・日勤のみにしてもらう
・長期休暇をとる
・夜勤がない場所へ転職する

ことを考えることをおすすめします。

日勤のみにしてもらう

夜勤がきついと感じて、体調的にも勤務ができないのであれば上司である看護師長に相談し、夜勤を免除してもらうのも一つの方法です。

体調を崩してまで、無理に夜勤をし続ける必要はありません。
自分の心と体の状態を優先し、仕事を調整してもらえるように相談しましょう。

夜勤をしていることで体調を崩し、受診をしている場合は、正直に伝えると理解を得られやすいです。
上司に相談して勤務の調整を依頼しても、夜勤免除ができない場合は転職を考える必要があるでしょう。

長期休暇をとる

どうしても働けないと思うほどつらい場合は、少しの間仕事から離れるという方法もあります。

出勤できないほどの状態であれば体がSOSを送っている状態です。
心と体の体調が万全でない状態のまま働き続けていると、突発性難聴や自律神経失調症などを引き起こすこともあります。

通常の週休程度の休みでは、なかなか体調が整わないこともあるでしょう。

そんな時には看護師長など上司に相談し、長期休暇をとることをおすすめします。

夜勤がない場所へ転職する

夜勤がどうしてもつらい場合は、夜勤がない職場へ転職してしまうのも一つの手です。

今の職場で夜勤の回数を減らしたり、夜勤を免除してもらったりして、続けられるのであれば、日勤のみで働くこともできるでしょう。
ただ、職場によっては夜勤ができないのであれば勤務が難しいと言われてしまうことや、上司と調整できたとしても一時的な措置の場合もあります。

今後夜勤をする必要があるなら、日勤のみの仕事を探し、転職してもいいかもしれません。

夜勤がない職場としては、

・外来看護師
・美容クリニック
・保育園看護師
・ツアーナース
・健診センター
・産業看護師

など様々あります。

外来看護師

外来看護師は通院患者の対応を行います。

勤務時間は病院によって異なりますが、8時ごろから12時ごろまでの午前中の診察と、13時ごろから17時ごろまでの午後の診察があります。

業務内容も診療科や配属によって異なりますが、採血や問診、診察介助が一般的です。

受付時間は病院によって異なりますが、通常外来の勤務は夕方までの場合が多く、比較的早く帰宅できることが多いです。
あらかじめ診療日が決まっているので、生活リズムは作りやすいでしょう。

ただ、少ない人数で外来をしている場合は急な休みがとりづらかったり、苦手な同僚がいると毎回顔を合わせることになったりとデメリットもあります。

美容クリニック

美容クリニックは、外来のみの働き方で美容知識を身につけることもできます。

ただ、クリニックの営業時間によって夜間診察がある場合もあり、夜勤はありませんが夜遅くまで勤務が必要なこともあります。

また、美容クリニックから診療現場への転職を今後考える場合は、ブランクがあると転職がしづらくなりますので、自分のキャリアを考えておきましょう。

保育園看護師

保育園看護師は保育園に常駐して、園児の対応を行います。

保育園の規模によって看護師の人数は様々で1人の場合もあれば、数人で対応する保育園もあります。
また、病児保育を行っているところもあり、対応する子どもの対応や対応する園児の数も様々です。

保育園看護師は子どもの怪我や発熱などの対応だけでなく、保育園だよりを作成し園児や家族への注意事項を共有したり、保育士と連携しながら保育園での感染対策を練ったりします。

また、保育園の行事の時には必ず出勤が必要になるので、運動会やお遊戯会など年に数回休日出勤が必要なこともあります。

ツアーナース

ツアーナースは学校の課外行事や会社の研修などに同行する看護師です。

イベントなどで怪我があったり、体調不良者が出たりした場合に対応することになります。

時給も比較的高いことが多いですが、病院のように医療器具が十分でない中で、必要な処置を行うことになり、難易度の高い仕事です。

また、初めて会う学生や教員、社員とコミュニケーションをとりながら情報収集を行う必要があり、コミュニケーション能力も求められます。

ツアーナースは1日のみの仕事もありますので、都合に合わせて仕事をすることができますが、行事が少ない時期には仕事も少ないというデメリットもあります。

健診センター

健診センターで働く看護師は健診に訪れる人に対応します。

採血や心電図を行ったり、血圧測定などの補助を行ったりと業務内容も比較的覚えやすいものが多いです。

検診センターは1日に多くの患者が訪れるため、スピーディに対応することが求められるため、ゆっくりと仕事をしたいという人には向かないかもしれません。

ただ朝から夕方までに仕事は終わるので、予定は立てやすく、残業もあまりないところが多いです。

産業看護師

産業看護師は企業で働く看護師のことです。

産業看護師は所属する企業での雇用体系になりますので、病院で働くよりも福利厚生が充実していることも多く、土日が休みの職場が多いです。

企業の健康管理室や医務室で勤務することが多く、社員の健康管理が主な業務です。
社員との面談や健康相談を行ったり、健康に関する指導や教室を企画・運営したりといったこともあります。

看護師の夜勤はきつい

護師は患者さんの命と安全を守るため、24時間見守りをする必要があります。

夜勤は体力的にもきついですが、やりがいもあり、収入面でも大きなメリットがあります。

夜勤を続けるためには、なるべく心身の負担を軽減しながら、体調管理に気をつけなければなりません。
そのためにはなるべく休める時は休み、心と体をリフレッシュさせる方法を身につける必要があります。

自分なりのリフレッシュ方法を見つけ、自分にあった働き方を探しましょう。

この記事を書いた人

M

看護大学にて看護師・保健師・助産師免許取得。NICU・産婦人科外来・保健センターでの勤務を経験し、現在、産婦人科病棟で勤務する現役助産師。

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