合格率UP!看護師国家試験の4つの勉強法をどこよりも詳しく解説

「看護師国家試験の合格率ってどれくらい? 合格できるか不安でいっぱい…。」
「授業や実習が忙しくて、国家試験の勉強が全くできていない…。」
「もっと効率良く確実に身に付く勉強法があれば教えてほしい!」

このような悩みにお答えする記事です。

授業や実習が忙しくて国家試験の勉強ができない気持ちすごく分かります。
私も学生時代は国家試験直前まで実習をしており、最後の1ヶ月は国家試験対策だけに費やすことになりました。

試験には無事合格しましたが、あの時のことを振り返り「もっと計画的に勉強をしていれば、こんなにしんどい思いをせずに済んだのに」と後悔しました。

この経験からあなたには国家試験で大変な思いをしてほしくないと思っています。

この記事では、看護師国家試験の合格率やおすすめの勉強法落ちる人の特徴について詳しくお伝えします。

現役合格して来年は看護師として働いているためにも、この記事を参考に国家試験に合格できる効率の良い勉強法をマスターしましょう。

看護師国家試験の出題傾向と合格率

この章では、以下の内容について解説します。

  • 出題傾向
  • 合格率90.4%!高い理由は「〇〇」

出題傾向を知ることで、重点的に勉強する科目がわかります。国家試験を受ける前の基礎知識として、参考になるため、ぜひ最後までお読みください。

出題傾向

看護師国家試験は、その時々の医療現場の流れや変化を取り入れています。それに伴い出題傾向も少しずつ変化していますが、近年大きな変わりはないのでご安心してください。

近年の傾向としては、五肢択一・択二問題や視覚素材を使った問題が出題されるようになりました。

また科目別の配点は、例年の傾向だと「基礎看護学」と「健康支援と社会保障制度」の割合が高い傾向にあります。

以下表は、各科目の出題数がグラフになったものです。出題傾向を分析するのに参考にしてください。

合格率90.4%!高い理由は「〇〇」

令和3年度に行われた第110回看護師国家試験の合格率は「90.4%」です。助産師は「99.6%」、保健師は「94.3%」と三職種すべてで90%超えの高水準です。

詳細は以下の厚生労働省の表を参照ください。

では、なぜこんなにも合格率が高いのでしょうか?

答えは、看護師国家試験が不合格者を出すための試験ではないからです。国家試験では、看護師として職務に就くための最低限の基礎知識はあるかを見られているのです。

実際、過去何年も傾向が変わることもなく、きちんと対策をしていれば合格の見込みは十分あります。

看護師国家試験の合格率が90%以上と高い理由は、看護師になる基礎知識があるかを見極めるための試験だからです。

【必勝】看護師国家試験に合格するための4つの勉強法

看護師国家試験に合格するための勉強法は、以下の4つです。

  1. スキマ時間を有効活用してコツコツ勉強
  2. 参考書は1冊で十分
  3. 過去問は正答率にこだわらない
  4. 模擬試験で実力を確認

効果的かつ効率的に勉強をするための参考にしてください。では、詳しく解説します。

1. スキマ時間を有効活用してコツコツ勉強

スキマ時間を有効活用してコツコツ勉強しましょう。

授業や実習、学内試験や課題提出と看護学生は最後の最後まで多忙であり、まとまった勉強時間の確保が難しいからです。

具体的には、通学や実習までの移動等のスキマ時間でOKです。

ポケット参考書やスマートフォンアプリ等、気軽に始められるもので勉強をするのがポイントです。分厚い参考書は開くだけで労力がいるため、勉強する気になりません。

気軽に始められるポケット参考書やアプリでスキマ時間を有効活用しましょう。

2. 参考書は1冊で十分

参考書は1冊に絞りましょう。

何冊も使うと学習到達度の評価が難しいからです。またどの分野でどれくらいできているか確認できれば、効率的に学習できるメリットもあります。

実際、私は国家試験までに参考書を1冊しか使いませんでした。そしてこの記事を書くにあたって、書店で参考書を数冊確認しました。どの参考書も1冊で国家試験対策できるくらいの知識が詰まっていることがわかりました。

具体的には、勉強が終わった科目から目次の横にチェックマークをつけると良いでしょう。学習到達度の把握ができることや、チェックが増えるとモチベーションにもなります。

1冊を繰り返し使うことで愛着も湧き、国家試験当日のお守りにもなりますので、ぜひ試してください。

3. 過去問は正答率にこだわらない

過去問は正答率にこだわらず解きましましょう。

重要なのは、正解の根拠を理解することだからです。本番では答えが同じ問題でも違う角度から出題されます。

正答率にこだわるあまり根拠を理解していないと、本番で解けないと泣くことになります。また正解だと思う根拠を考えながら選ぶと、より知識の理解が深まります。

どんな角度からの出題でも根拠を持って正解を選べるような勉強をしましょう。

4. 模擬試験で実力を確認

模擬試験で実力を確認しましょう。模擬試験のメリットは、本番と同じ時間配分で試験ができ、自分の実力を確認できることです。

試験結果が悪くても落ち込むことはありません。あなたの苦手な科目や出題傾向といった今の課題がわかり、試験までの対策もしやすくなるからです。

学校内だけでなく、外部で受けられる試験にも積極的に参加して、今の実力を確認することも重要なのです。

年間スケジュール!看護師国家試験合格までの道のり

​​試験ギリギリになって勉強を始めると気持ちが焦り、思うように勉強が進みません。

そこでこの章では、試験の10ヶ月前から逆算して、計画的に勉強できるスケジュールを紹介します。

早い時期からコツコツ勉強をしておくと直前で焦ることなく、試験当日も自信を持って臨めますので、ぜひ参考にしてください。

4〜6月:勉強開始

最終学年の4〜6月を目安に勉強を始めましょう。ただし、勉強を始める時期に正解はありません。

4〜6月に始めるメリットは、勉強したことが実習で実践として振り返れることです。実践を通して学ぶと、記憶の定着にもなります。

具体的には、小児科実習の前に国家試験の小児科目の問題を解いてみる等の方法が良いでしょう。インプットよりもアウトプットの方が何倍も勉強になるので、ぜひ試してください。

7〜9月:基礎知識+必須問題

7〜9月で基礎知識と必須問題をマスターしましょう。

国家試験では一般・状況設定問題がどれほど高得点でも、必須問題の正答率が8割以上でないと不合格になります。そのため、一般・状況設定問題より必須問題を解く方が優先的です。

また必須問題の知識は、その他の問題の基礎となる内容ばかりです。最初に勉強しておくと、その後の試験問題が解きやすくなるメリットもあります。

10〜12月:必須問題+一般・状況設定問題

いよいよ試験日が近づいてきました。10〜12月は最後の実習やケースレポート等、学業の追い込みの時期でもあります。

この時期に必須問題に加えて、一般・状況設定問題を解いていきましょう。

一般問題とは、科目別(小児科、外科、訪問看護…etc)、状況設定問題とは実際の状況を想定した問題になります。

学生生活で学んだ知識や経験を総動員して、国家試験の勉強で総復習ができます。経験と結びつけて勉強できれば、記憶の定着にもなります。

年末まで忙しいと思います。しかし、ここが踏ん張りどころなので、頑張りましょう。

1月〜試験当日:総復習

1月〜試験当日までは、過去問の総復習をしましょう。新たな知識を補充するよりは、これまで勉強したことの理解を深めるイメージです。

試験当日は緊張してしまい、頭が真っ白になったり、度忘れしたりする可能性があります。実際、私も本番で何度も復習したはずなのに問題が解けず、「普段なら絶対に解けるのに…」と悔しい思いをしました。

これまで勉強したことの理解を深めておけば、正解がわからない問題でも別の角度から考えられます。そして試験当日のあなたを助けてくれるのです。

看護師国家試験に落ちる人の7つの特徴!改善して合格を目指せ

国家試験に落ちる人の特徴は、以下の7つです。

  1. 必須問題の勉強不足
  2. 一から十まで順番に勉強する
  3. 漠然と勉強をする
  4. 勉強の開始時期が遅い
  5. 傾向と対策ができない
  6. 一問に時間をかけすぎる
  7. 体調管理ができない

これら特徴で当てはまることがあれば、今日から改善するヒントにしてください。では、順番に解説します。

1. 必須問題の勉強不足

必須問題が勉強でいきていない人は、試験に落ちる可能性が高くなります。

必須問題の正答率は80%というボーダーラインがあるからです。そのため必須問題は早い時期から強化しておくことをおすすめします。

2. 一から十まで順番に勉強する

一から十まで順番に勉強することも国家試験に落ちる人の特徴です。

順番に勉強すると、実習や学校の試験と並行した勉強ができないため、非効率になります。

おすすめの方法は、実習や学内試験と同じ時期に勉強することです。実習は実習、国家試験は国家試験前のように二重で勉強せずに済み、少ない時間をより有効活用できます。

看護学生は忙しいため、いかに時間を有効活用するかが合否の分かれ目になるのです。

3. 漠然と勉強をする

漠然と勉強する人は国家試験に落ちる可能性がありますので注意が必要です。

漠然とは正答率だけを気にして、正解・不正解の根拠を理解しないことを表します。正答率が良いと過去問題を解いただけで満足します。

満足してしまい、答えの根拠を理解しないまま終る人は、当日の問題も感覚だけで解くため不合格になるのです。

正答率よりも答えの根拠を大切にする勉強をしましょう。

4. 勉強の開始時期が遅い

国家試験直前から必死に勉強をする人は不合格になりやすいでしょう。

短期間で詰め込んだ知識は記憶の定着が浅く、すぐに忘れてしまうからです。試験当日に思い出せないと悔しい思いをするのは、このことが原因です。記憶は繰り返し勉強することで、徐々に定着していきます。

実際、私も最後の1ヶ月半で詰め込み学習をしたため、当日思い出せないことが多かったです。

また知識が記憶に定着していないため、就職後も困ります。命を預かる医療の現場では、常に根拠を持った責任のある行動が求められるからです。

早い時期からコツコツと勉強をしていれば、現場で活きる知識となり、あなたを助けることにもなるのです。

5. 傾向と対策ができない

傾向と対策ができていないと合格率が落ちるでしょう。

看護師国家試験の問題はプール問題と言われ、過去問に似た内容や出題されるからです。

そのため各科目で出題される範囲も決まっており、傾向と対策をしておくだけで試験中にまったくわからないという事態を防げます。

過去問題集で傾向と対策はわかるので、ぜひ意識した勉強を心がけましょう。

6. 一問に時間をかけすぎる

試験当日、一問に時間をかけすぎる人は危険です。もちろん一問一問に時間をかけて丁寧に解くのも大切です。

しかし、試験時間は限られています。時間配分ができないと最後まで解けなかったり、見直す時間がなかったりする可能性もあります。

試験では一問でも多く正解するのが大切であり、解けない問題はとりあえず回答しておき、確実に解ける問題を増やすのに徹しましょう。

解けなかった問題は、見直した時にわかるようマークしておくと、余った時間で落ち着いて考えられます。

7. 体調管理ができない

国家試験に合格するためには体調管理も重要です。試験当日は早起きをして眠たかったり、緊張して試験中にお腹が痛くなったりする人もいます。

体調不良でこれまでの努力が水の泡になったら、後悔するのはあなた自身です。

前日は準備を済ませ早めに寝て、お腹の刺激になる食べ物は避ける等、万全の体制で臨めるようにしましょう。体調管理も実力の内です。

また当日だけ早起きをするのではなく、1ヶ月前からは早起きを習慣にしておくと、当日睡魔に襲われる可能性も低くなります。

後悔しないためにも、体調管理をして試験に臨みましょう。

本当は教えたくない!合格者がしている秘密の5つの勉強テクニック

この章では、もっと効果的な勉強がしたいという人向けに、合格者がしている5つの勉強テクニックを紹介します。

  1. 繰り返し勉強して記憶を定着
  2. イメージを活用して記憶力UP
  3. 試験当日と同じスケジュールでプレテスト
  4. 友達を巻き込む
  5. 短時間で集中!ポモドーロテクニックを活用

これら勉強法は就職後も活用できるので、ぜひ参考にしてください。

1. 繰り返し勉強して記憶を定着

繰り返し勉強して記憶に定着させましょう。

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは記憶の定着について「忘却曲線」を提唱しています。忘却曲線によると勉強した内容は、以下の時間で忘れていくことが分かります。

  • 20分後に42%
  • 1時間後に56%
  • 1日後に74%
  • 1ヶ月後に79%

つまり1回の勉強だと1日後には74%も忘れており、記憶に定着していません。

そこでおすすめする勉強法が、勉強した1日後に復習することです。復習すると忘れかけていた内容を思い出し、海馬で短期記憶から長期記憶に変換されます。

繰り返し勉強して、記憶の定着を促しましょう。

2. イメージを活用して記憶力UP

イメージを活用して記憶力を高めましょう。

文字だけの参考書を眺めていると、内容がまったく頭に入ららず、眠くなるなんて人も多いのではないでしょうか?

そこでおすすめの勉強法が、頭の中で具体的なイメージをする方法です。

例えば、図説やイラスト入りの参考書を使ったり、自分で絵と説明文を書いたりしても良いでしょう。文字だけで覚えるよりも記憶しやすく、楽しく勉強ができますので、ぜひ試してみてください。

3. 試験当日と同じスケジュールでプレテスト

試験当日と同じスケジュールでプレテストをしましょう。

本番のリズムを掴めて、当日落ち着いて問題を解ける訓練になるからです。

具体的には、学校内外の模擬試験を受けたり、過去問題を使って本番と同じタイムスケジュールで実施したりすると良いでしょう。

昼食時間も合わせると、よりリアルに当日のリズムを掴めるのでおすすめです。

4. 友達を巻き込む

自分だけで勉強していると、ついつい怠けてしまいますよね。1人では集中できない人は、友達を巻き込んで勉強をしましょう。

友達と勉強する時は集中できる人も多いのではないでしょうか?

友達と一緒に勉強するメリットは、わからない問題を教え合ったり、モチベーションを高めたりできるなど、相乗効果になることです。

実際、私も集中力がなく、1人で勉強する習慣もありませんでした。そのため国家試験1ヶ月前からは、友達と学習スペースにこもって勉強しました。

そのおかげでなんとか試験に合格できました。1人で集中できないなら友達を巻き込んで勉強するのも良いでしょう。

5. 短時間で集中!ポモドーロテクニックを活用

ポモドーロテクニックを活用すると短時間で集中して勉強ができます。

人間の集中力は、15〜25分が限界と言われています。そのため長時間でダラダラ勉強するよりも、短時間で集中する方が勉強の質が上がります。

具体的には、以下の2ステップです。

  • 25分間勉強をする
  • 5分休憩

これを4回(計2時間)繰り返した後は、30分程度の休憩を取りましょう。

学校の課題や実習レポート等の課題が沢山あるため、短時間で効果的に勉強するためにも、ぜひ活用してください。

まとめ

以上、合格率を上げる看護師国家試験の勉強法について解説しました。

要点を以下にまとめます。

  • 試験問題の傾向は例年と変わらない
  • 令和3年度の合格率は90.4%
  • 合格するための勉強法は、スキマ時間を有効活用する
  • 繰り返し勉強して記憶へ定着させる
  • 直前で焦らないためにも年間スケジュールを組んでおく

看護学生は学校の課題や実習の記録、ケースレポートと最後まで目まぐるしい日々が続きます。その中で時間を有効活用しつつ、自分なりの勉強法を見つけなければいけません。

この記事で、看護師国家試験に向けて計画的にコツコツ勉強する重要性がわかったのではないでしょうか。そして繰り返し勉強すると記憶に定着し、試験や就職後に活かせる知識になるのです。

試験直前で焦ることなく実力を発揮するのに、この記事を参考にしてください。

来年、あなたが看護師として働けるために、この記事が役立てば幸いです。

この記事を書いた人

秋山 京洋

秋山 京洋

広島県立三次看護専門学校卒業。看護師免許取得。小児科や一般外科病棟を経験。現在は臨床で培った知識やスキルを活かしてライターとして活動中。執筆業以外にもKindle本の出版や絵本制作など精力的に活動の場を広げている。

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